【消化器内科医が教える】腸活の正しい方法とは?腸内環境を整えてカラダの内側から健康に!

この記事を書いた人:
▶️ 黒沢哲生(千葉中央メディカルセンター) 医師

腸活ってなんだろう?

美容や健康に良いって聞いたけど、本当?

医学的に正しい腸活の方法が知りたい!

今回はこういった疑問にお答えします

 

【腸活】という言葉が普及してきました

腸活で腸内環境を整えると美肌効果、肥満・便秘の解消もできる?と期待されている方も多いと思います

私はお腹の病気(胃腸)を専門とする消化器内科医として

日々、便秘や下痢に悩む患者さんの診療をしています

実際に腸活は医学的にも効果があると考えられています

そこで今回は腸活について医学的なデータもお示ししながらわかりやすく解説していきます

この記事の内容

  • 腸活とは? 医学的な意味を解説
  • 腸活の正しい方法 大きく2つに分けて説明
  • 腸活のメリット【5つ解説】
  • 腸活の注意点【意外な落とし穴】

では順番に説明していきましょう


腸活とは? 医学的な意味を解説

基本にはなりますが、

腸活:腸内環境をより良く整えるための生活のこと

です

 

ヒトの腸管には約1000種類以上、1000兆個にも及ぶ細菌が生息しています。これらを合わせると重さはなんと1kgになると言われています。

腸内細菌は大きく分けると善玉菌と悪玉菌、そのどちらでもない日和見菌の3種で構成されており、これらが関わり合いながらバランスを保っています。

腸内細菌の集団は【腸内フローラ】とも呼ばれ

健康な人の腸では善玉菌が20%悪玉菌が10%日和見菌が70%ほどです

最近の医学では、病気の人はこのバランスが崩れていることがわかってきました。そこで、腸内の善玉菌を増やして様々な病気の発症を抑制し、健康に過ごそうという意識が高まってきたのです。これが腸活の始まりです。

善玉菌とは

消化管を研究している小さな科学者 - good bacteria点のイラスト素材/クリップアート素材/マンガ素材/アイコン素材

有名なのは乳酸菌やビフィズス菌です

これらの善玉菌は乳酸や酢酸を作って腸内環境を酸性にし、悪玉菌の増殖を抑えます

また、

  • 食中毒の原因菌の感染を予防する
  • 腸の運動を活発にして便秘を解消する
  • 発がん性をもつ老廃物の産生をおさえる
  • ビタミンB1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸をつくる
  • 精神を安定させる働きのあるホルモン【セロトニン】の合成に関わる

といった働きもしており、私たちの健康維持には欠かせない存在です

善玉菌を維持することが健康につながると考えられており、善玉菌の占める割合を守るために腸活を行うのです

 

悪玉菌とは

悪い細菌が多い腸 - 悪い 菌 イラスト点のイラスト素材/クリップアート素材/マンガ素材/アイコン素材

悪玉菌は生活習慣が原因で増え、肥満や糖尿病、動脈硬化、大腸癌、炎症性腸疾患などと深い関係があります。これらの病気を持っている人の腸内細菌を調べると、健康な人とはかなり異なった構成であることがわかっています。

悪玉菌が増える原因となる生活習慣には

  • タンパク質や脂質を中心とした食事
  • ストレス
  • 不規則な生活
  • 便秘

などがあります

悪玉菌を増やすと様々な病気を発症する原因となるため、腸活ではこれらの生活習慣には特に気をつけて生活する必要があります

 

では実際に腸活はどのように行えば良いのでしょうか

次にくわしく説明していきます


腸活の正しい方法

腸内の善玉菌を増やすには大きく分けて2つの方法があります

  • プロバイオティクス:善玉菌を含む食品をとる
  • プレバイオティクス:善玉菌のエサとなる食品をとる

これら2つを合わせてシンバイオティクスといい、どちらも行うのが効果的でオススメです

 

善玉菌を含む食品をとる【プロバイオティクス】

発酵食品コレクション - probiotics ストックフォトと画像

プロバイオティクスは食品などから善玉菌を直接摂取する方法です

善玉菌は発酵食品によく含まれています

おすすめの食品

ヨーグルト・乳酸菌飲料・ナチュラルチーズ
納豆・ぬか漬・キムチ

は善玉菌が多く含まれているのでおすすめです

 

ちなみに私が毎日飲んでいるのはR-1です。

美味しいですし、低糖・低カロリータイプもあるのでダイエット中の方にもおすすめできます

 

継続した摂取が必要

摂取した菌はある程度の期間は腸内にいても、定着することはないとされています

そのため毎日継続して摂取し、腸に補充していくことが必要です

MEMO
腸内細菌の数は加齢によって変化しますが、普通に過ごしていると菌の種類は生涯ほぼ変わらないと報告されています。例えば、抗生物質を飲むと腸内細菌のバランスは大きく変動しますが、時間が経つと元に戻ると言われています。

 

生菌を摂取するために

「生きた善玉菌」を摂取するためには、加熱は避けてください

加熱すると菌が死んでしまいます

注意
【死菌でも効果あり】
善玉菌は生きて腸まで届けた方がよいと言われます。しかし、死んだ善玉菌であっても菌の構成成分により免疫を高める効果などが期待できますので、ちゃんと効果はあります。

 

おすすめのサプリメント

腸活のプロバイオティクスの面で大事なのは前述のような発酵食品を選んで食事を摂ることです。

しかし、毎日仕事などで忙しく腸活のために食事選びをするのが難しい方は、サプリメントで善玉菌を摂取するのが良いと思います。1つおすすめサプリをあげるならこちらです。

【おすすめポイント】
・1日1包でよい
・爽やかなレモン風味で飲みやすい
・常温保存で良いので保管しやすい

 

善玉菌のエサとなる食品をとる【プレバイオティクス】

probiotics (prebiotics )のフード - prebiotics ストックフォトと画像

善玉菌のエサとなる食品を摂ることでもともと腸内にいる善玉菌の数を増やす方法です。具体的にはオリゴ糖と食物繊維が多く含まれる食品をとること。これらを摂取することで善玉菌が元気になって増えやすくなるとされています。

食物繊維を多く含む食品

水溶性:こんにゃく・わかめ・昆布、果物・玄米・大麦
不溶性:キノコ・豆類・野菜

オリゴ糖を含む食品

大豆・たまねぎ・ねぎ・にんにく・アスパラガス
バナナ・コーヒー

食物繊維は大腸で分解されると善玉菌のエサとなります

特に水溶性食物繊維は粘着性があって腸内をゆっくりと移動するので腹持ちが良く、血糖値の急激な上昇を防ぎます。一方で不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らみ便の量を増やし、腸の運動を活発化させますので便秘解消の効果があります。

腸内細菌は一度には増えません。効果的な腸活のために、これらを1回の食事でまとめて摂取するのではなく1日3食分けて摂るようにしましょう。

 

おすすめのサプリメント

オリゴ糖をサプリで摂りたい方向けにおすすめのサプリメントはこちら

【おすすめポイント】
・顆粒タイプで飲みやすい
・ヨーグルトなどにかけると甘さも加わり摂りやすい
注意
市販のオリゴ糖製品を一度に摂取するとおなかが張ったり下痢になる場合があります。このようなときは3回に分けて摂取したり、少ない量から飲み始めて徐々に量を増やしていくのがおすすめです。

 

腸内環境が健康か知る方法【うんちを見る】

うんち絵文字枕、面白いコンセプト、ふわふわぬいぐるみ - うんち ストックフォトと画像

腸内が健康的な状態かどうかを知る簡単な方法は、便を観察することです。

便は腸内の情報を詳しく教えてくれますので、腸活をする場合は便を見て腸内細菌の状態を判断するようにしましょう。

 

善玉菌が活発で酸性環境の状態になっていれば、

  • におい: においはするが臭くない
  • 色: 黄色〜褐色
  • 形: 柔らかいバナナ状

になっているはずです。

これが理想の便であり、こうなっていれば腸内環境は良好な状態に保たれているといえます。腸活ではこれを目指します。

 

逆に

  • におい: 悪臭がする
  • 色: 褐色〜黒ずんだ茶色
  • 形: 固い、コロコロしている

といった便の場合、腸内細菌のバランスが悪くなっていると考えられます。このような場合は腸活のやり方を見直してみてください。

食生活を工夫しても便秘が続く、お腹の症状があるといった場合は必ず病院を受診して医師の診察を受けましょう。重大な病気が隠れている可能性もあり、放置してはいけません。


腸活のメリット5つ

妊娠中の母と娘は野菜の笑顔を作る - お腹 ストックフォトと画像

①便秘・下痢の解消

腸内環境が良い状態だと腸の運動が促されます。また腸活で勧められている不溶性食物繊維自体に腸の運動を活発化させる作用がありますので、便秘の解消効果が期待できます。

また、腸内環境の乱れは下痢の原因にもなると言われています。腸活で善玉菌が増えると整腸作用が働き、下痢解消も期待できます。

 

②美肌効果

腸内細菌は美肌にも効果があります。肌を作るコラーゲンやビタミンが一部で腸内細菌によって作られ、肌を健康な状態に保ちます。腸内環境が乱れて便秘になると活性酸素やフェノール類といった有害な物質が多く作られ、これが血液にのって肌のトラブルを起こしやすくなります。1)

腸活で善玉菌を優位にしておくことで、便秘解消だけではなく美肌効果も期待できるのです。

 

③免疫を高める

腸は免疫の役割もあって、腸活は腸の免疫を向上させる効果もあります。

腸には食べ物などを介して様々なウイルス・細菌が入ってきます。腸の免疫系が弱いと体内への侵入を許してしまうことになりますので、腸には免疫系が備わっていて外界からのウイルス・細菌の侵入を防ぐようになっているのです。

特に善玉菌の一種【酪酸菌】は腸内の食物繊維などを分解して酪酸をつくります。

酪酸は大腸のバリア機能に欠かせない粘液を増やす働きがありますので、腸活で善玉菌を増やすことで免疫を高めることが期待できます。

 

④精神面の安定、ストレス緩和

ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンをご存知でしょうか。

セロトニンは幸せやリラックスをもたらす物質で、精神面の安定やストレス緩和に一役かっているのです。

腸では必須アミノ酸などから腸内細菌によってセロトニンのもととなる物質が作られ、これをもとに脳でセロトニンが作られます。

腸内環境が乱れるとセロトニンの量も減って不安感が強くなりイライラしやすくなります。

実際に実験でマウスに善玉菌を与え定着させたところ、不安行動が少なくなったことが示されています2)

MEMO
医学的には、セロトニンはホルモンではなく神経伝達物質というものです。しかし一般的には幸せに関与するイメージからハッピーホルモンという呼称が定着しています。

 

⑤動脈硬化予防の可能性

腸内細菌によって代謝されてできる物質には動脈硬化を悪化させる作用があることがわかっています。

現在の医学では具体的にどのような腸内細菌を増やせば動脈硬化が予防できるかまではわかっていませんが、腸活による動脈硬化の予防も期待されています。3)

 


腸活の注意点【意外な落とし穴】

感嘆符、アスファルトの上注意のシンボルと女性の足 - 注意点 ストックフォトと画像

腸活はただ食生活を変え、サプリメントを飲めばいい訳ではありません。

注意していただきたいのは

  • 腸活を理由に偏食せず、バランスよく食べる
  • 継続する【一番大事!】
  • 睡眠もしっかりとる
  • 運動も適度に行う

ことです

 

腸内細菌のバランスを整えることを目的とした腸活のためにおすすめの食品をご紹介してきましたが、これだけ食べるのでは栄養バランスが崩れ、かえって健康に良くありません。

腸活を意識した食品を取り入れながらバランスよく食事をとってください。

おすすめの食生活(献立・レシピの考え方)についてはこちらをどうぞ

【徹底解説!地中海式食事法】地中海式ダイエットとは 減量・脂肪肝に効果あり!

 

また、腸活は続けなければ意味がありません

善玉菌を含む食品をいくらとっても、中断したら元の腸内環境に戻ってしまいます。腸活をすると決めたら、無理せず継続するようにしてください。

毎回、腸活を意識した食事を考えるのが大変でしたら、サプリメントを頼るのも一つの方法です。

 

ミックスレース女性は朝を楽しむ - 睡眠 運動 ストックフォトと画像

睡眠も重要です。就寝中は副交感神経が優位になり、腸がよく活動して便を運んでくれます。定期的な排便も腸活には欠かせませんので、リラックスしてよく眠るようにしましょう。

 

適度な運動は腸の動きを促します。便秘解消にもなりますので運動は定期的にするよう心がけてください。手軽にできるウォーキングが一番良いと思います。

 

注意
お腹の調子が悪いとき、便秘が続くときに腸活を試すのも良いですが、症状が続く場合はためらうことなく病院を受診してください。腸内環境を整えるだけではどうにもならない病気もあるからです。

まとめ

公園でヨガのポーズをとる - ライフスタイル ストックフォトと画像

正しい腸活を行う上で大事なポイントをまとめます

  • ①善玉菌を含む食品をとる “プロバイオティクス”
  • ②善玉菌のエサとなる食品をとる “プレバイオティクス”
  • うんちを見て腸活が上手くいっているか確認する
  • 継続する【一番大事!】
  • 睡眠と運動も行う
  • お腹の症状が続く場合は病院を必ず受診する

今回は医師の立場から腸活の正しい方法と注意点について解説しました

何より大事なのは継続ですので、

ぜひ自分に合ったやり方で食生活を工夫してみてください

この記事が皆さまの健康な食生活の一助となれば幸いです

この記事の参考文献
1)R Iizuka, et al. Gut bacteria producing phenols disturb keratinocyte differentiation in human skin. Microb Ecol Health Dis 2009, 21: 221-227.
2)R Nishino et al. Commensal microbiota modulate murine behaviors in a strictly contamination-free environment confirmed by culture-based methods. Neurogastroenterol Motil. 2013; 25(6):521-85
3)T. Yamashita, Prevention of Atherosclerosis Via Modulating Intestinal Immunity and Metabolism ~Gut Bacterial Flora and Atherosclerotic Cardiovascular Diseases~.Nihon Ika Daigaku Igakkai Zasshi. 2017; 13(4):205-209

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA