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この記事を書いた人：
▶️ 黒沢哲生（千葉中央メディカルセンター） 医師
モデルナワクチンを打ったのですが、モデルナアームって何ですか？
ワクチン接種後に腕の腫れが出た場合、どのように対処すればいいですか？
モデルナワクチンを接種した方はモデルナアームについて気になっているかと思います
でも安心してください、要点を抑えれば十分に対処できますよ
モデルナアームについては「医学的な根拠の高い」雑誌として有名な『The New England Journal of Medicine』で詳しく報告されました。確実性の高い情報をお伝えするため、この報告のポイントをまとめます。
・モデルナアームが出たら2回目を接種して大丈夫？
・モデルナアームにはどう対処すればいい？
今回はこのような疑問に答えます。
目次
モデルナアームとは？
モデルナワクチンの副反応として有名なモデルナアームとは、
・ワクチン接種後の “特徴的な腕の腫れ”
を指します。
ワクチン接種後少したってから、注射した場所が赤くなり、痛みや熱感が出てくる症状
であり、免疫細胞のT細胞が反応して起こる皮膚症状であることがわかっています。
ほとんどがモデルナワクチンで報告されているため「モデルナアーム」と呼ばれますが、ファイザーワクチンでも稀に起こります。
皮膚の症状ですから、まず見た方がわかりやすいと思います。
『The New England Journal of Medicine』からの論文「Delayed Large Local Reactions to mRNA-1273 Vaccine against SARS-CoV-2」よりモデルナアームの例（写真）を下に載せます。
画像出典：The New England Journal of Medicine Delayed Large Local Reactions to mRNA-1273 Vaccine against SARS-CoV-2
いずれの写真もワクチン接種を行った腕が赤く腫れているのがわかりますね
モデルナアームが出ると、このようにワクチンを注射した腕が「赤く」「硬く」「痛く」「熱く」なります。
この症状が出ると物をもったりするときに痛みますし、見た目も派手なので人目も気になります。
さて、ではモデルナアームはいつ出現し、症状が現われたらどのように対処すれば良いのでしょうか。
モデルナアームの出現時期・頻度
症状が出てくるのはワクチン接種してすぐではありません。
ワクチン接種後は初期反応として腕の痛みや腫れ、発熱やだるさが出ることがあります。これらの初期症状が消えた後に出てくるのがモデルナアームで、初期の腕の痛みとは明確に区別されています。
モデルナアームの出現時期
モデルナアームの出現時期は接種後約8日です。
ただし、平均して接種後4〜11日後と報告されており、ばらつきがあります。
モデルナアームの頻度
モデルナアームの頻度は
✔︎ 2回目のワクチン接種後 ： 約0.2%
と報告されていて、そこまで頻度の高いものではありません。
症状は平均6日で消失します。
モデルナアームの対処法
モデルナアームは特別な治療を行わなくても自然に治癒します。
症状が強い時は、
②-1 痛みが強い時は痛み止めを飲むのもよいです
②-2 かゆみ、皮膚の違和感には軟膏を塗ります
③それでも痛みや熱感が強い時は病院（皮膚科）を受診しましょう
アレルギー症状を抑える「抗ヒスタミン薬」や「ステロイド軟膏」で治療した例が報告されており、効果があるとされています
細菌感染ではないため、抗生物質は不要です
ワクチン接種後の初期反応として出てくる腕の痛み・腫れについてはすぐに症状が消失することが多いため、
「① 氷などで冷やす」「②-1 痛み止めを飲む」で十分に対処できることが多いです
一方で、モデルナアームはそれより強い症状が、比較的長い期間続きます
症状が出たときに素早く対処することが重要です
痛みや腫れが出てつらい時におすすめの市販薬をご紹介します
【飲み薬】モデルナアームの痛み止めにはこれ！
【タイレノールA 】
モデルナアームの痛みを効率的に抑えます！
胃に優しい成分（アセトアミノフェン）が主成分で、
空腹時にも飲むことができます
※ただし、悪寒・発熱時にはなるべく空腹時をさけて服用してください
【飲み薬】アレルギー症状を抑える「抗ヒスタミン薬」
【レスタミンコーワ糖衣錠 】
モデルナアームによる皮膚反応を抑えます！
アレルギー反応をおさえることで皮膚症状を和らげます
５歳以上のお子様から飲むことができます
【軟膏】皮膚の違和感を抑える塗り薬
【デリナースクール 】
子どもから大人まで使えます
程よい清涼感があって、皮膚の違和感が和らぎます
デリケートゾーンだけでなく、粘膜や目のまわり以外の全ての場所に塗ることができます。
※ステロイド成分は含まれていません！
身体やワクチン接種スケジュールに影響はあるか？
モデルナアームは一時的な症状であり健康に害はないとされています
モデルナアームは多くは約6日で消失するため、
ワクチン2回目を接種する段階ではもう症状はありませんし、2回目の接種も予定通り行ってよいと言われています。
まとめ
モデルナアームについてまとめると、
・接種後約8日で発症する
・接種した場所が「赤く」「硬く」「痛く」「熱く」なる
・頻度は高くない（1%以下）
・治療は「冷やす」「痛み止めを飲む」
・２回目の接種も行ってよい
モデルナアームと聞くと怖い副反応だと思ってしまう人も多いかもしれません
しかし、症状や対策をしっかりと理解しておけば、十分対処できます
この記事を読んでいただき、モデルナアームのポイントを理解いただければ幸いです
厚生労働省でも情報提供していますので、もしよければ参考にしてください
参考 ワクチンの安全性と副反応厚生労働省ホームページ
また、新型コロナウイルスワクチンについて他の記事にもまとめています。
ぜひ参考にしてください。
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・「Delayed Large Local Reactions to mRNA-1273 Vaccine against SARS-CoV-2」N Engl J Med 2021; 384:1273-1277
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2102131
・厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0089.html
