誰でもできる！胸やけの治し方　逆流性食道炎の原因は？【医師が解説】

この記事を書いた人：
黒沢哲生（千葉中央メディカルセンター）　医師

食事の後、胸やけが・・・。横になっていると酸っぱいものが上がってくる。食べすぎたせいかな？

皆さんはこういう経験ありませんか？

胸やけは生活習慣に気をつければ改善が見込める症状なんです。

胸やけの原因と、その対処法についてお話します。

　今回はこんな疑問に答えます。

胸やけ　その原因は？

胸やけは主に胃酸の逆流によって起こります。

胃の上にあるのは食道ですから、ここが胃酸によって傷つけられて炎症を起こします。その結果、「胸が焼けるように痛い」「みぞおちが痛い」「横になると酸っぱいものが上がってきて辛い」といった症状になるのです。

胃酸が逆流する主な原因はこの４つです

なぜ胃酸が逆流してしまうかには全て理由があります。

✔︎ 食べ過ぎ、飲み過ぎ

食事を取り過ぎると胃が大きく膨らみ、胃の内圧が上がって胃酸が食道へ逆流します。

✔︎ 食べた後すぐ横になる

食後にすぐに横になると重力の関係で胃内にあった食物が食道の方へ逆流してしまいます。

食後は一定時間横にならない時間を設け、食物が胃に落ちた状態にしておく必要があるのです。

✔︎ 脂っこい食事

脂っこい食事を摂るとホルモンの関係で食道の圧が低くなります。

この結果、胃の中に溜まった食物（＋胃酸）が食道へ逆流しやすくなります。

※細かい話はかなり医学的な内容になってしまうので、ここでは割愛します。

✔︎ ストレス

ストレスが加わると、胃酸の分泌や胃の動きが変化します。この結果胸やけを起こすことがあります。

注意してほしいのは、ここに挙げたものが原因の全てではないということです。中には胃癌などの重大な病気があって、その結果として胸やけが起きているということもあります。

私は胸やけが続いていたら、必ず胃カメラを受けることをお勧めしています。それは生活習慣だけが胸やけの原因とは限らず、癌などの怖い病気を見逃さないためです。

「逆流性食道炎」ってなに？

ドラッグストアやニュース、CMなどで「逆流性食道炎」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

逆流性食道炎は胃酸によって食道の粘膜が炎症を起こした状態です。これが胸やけを起こすことは説明しましたね。食道の炎症があれば逆流性食道炎、なければそうではありません。この判断は胃カメラで行います。胃カメラでは食道と胃の境目をよく観察することで、炎症の有無を判断できます。

なんと、現代の日本では10人に1人が逆流性食道炎と診断されています。

いやいや先生、胃カメラで正常と言われたのに、胸やけはあるんだけど。

こういうこともあり得ます。現在の医学では、食道の知覚過敏が原因ではないかと言われています。

有効な対処法　”生活習慣の見直し”

胸やけを起こす原因として多いものをお話ししましたので、察しがつくかもしれませんが、生活習慣の見直しによって症状の改善が十分に期待できます。

有効な対策は以下の４つです。

減量は過度におこなってはいけません。ただし、お腹まわりに脂肪がついている方では腹圧が高くなる（脂肪で胃が押されて胃酸が逆流する）のでダイエットが有効です。

遅い時間の夕食も避けましょう。胃に食べ物が沢山入っている時に横にならないためです。

脂っこい食事の取り過ぎは注意です。甘いものも人によっては症状が出やすい場合があります。

禁煙も有効です。タバコは百害あって一利なしです。

どうでしょう。当てはまるものがありましたか？

これらに注意すると、胸やけも十分よくなる見込みがあります。

オススメの市販薬

生活習慣を見直しても、胸やけがよく起こる。そういう時に市販薬では何を選べばいいか。

最も効果が期待できるのは「胃酸の分泌を抑える薬」です。

ひとつ、オススメの薬をあげるとすればこれです。

ガスター10錠　【第１類医薬品】

ガスター10に含まれる”ファモチジン”には即効性があって、胃酸を効果的に抑えることができます

病院では、診断がつけばさらに胃酸を抑える効果の高い薬をもらうことができます。

お話ししたように、胸やけがある場合、胃カメラはぜひ受けていただきたいと思います。

胃カメラが不安な方は⬇️の記事を参考にしてください。楽に受けられる方法があります。

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生活習慣を見直しても症状が良くならない場合は、あまり我慢せずにお近くの病院をぜひ受診してみてください。先生がひとりひとりに有効な治療法について相談にのってくれるはずです。

皆さんが美味しく食事をとることができますように。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。