医師が勧める肩こり解消法「リラックス体操」と「10秒ストレッチ」

この記事を書いた人:
▶️ 黒沢哲生(千葉中央メディカルセンター) 医師

肩こり・首こりに悩む人
肩こり・首こりに悩む人

肩こり・首こりがつらくてマッサージ店に通っているんだけど、肩こり解消の良い方法ってある?治し方を教えてほしい!

本記事ではこんなお悩みにお答えします

 

私は市中病院に勤務している現役の内科医なのですが、毎日肩こり・首こりに悩まされていました。そこで学会の推奨する方法を試してみたのです。すると実際にとても効果があったので、この肩こり・首こり解消法について私の体験を含めてお話しようと思います

医学的根拠に基づいたお家でできる簡単な方法なので、

ぜひ皆さんに実践していただければと思います

ではさっそくお話していきましょう


肩こり・首こり解消法「リラックス体操」と「10秒ストレッチ」

肩こり・首こりを解消するためには肩と首の筋肉をほぐす必要がありますが

効果的なのが「リラックス体操」「10秒ストレッチ」です

【リラックス体操】

 :肩の筋肉をほぐし、血流を改善させる体操です

【10秒ストレッチ】

 :首の10秒ストレッチで首のこわばった筋肉をほぐします

誰でも簡単にできる体操・ストレッチなので、私としてはこれが肩こり・首こりの解消に最も良い方法なのではないかと思っています

 


自宅でできる肩こり解消法〜実践するまで〜

女性は仕事からの肩の痛み - 肩こり ストックフォトと画像

私は少し前まで肩こりや首こりに日々悩まされていました

というのは、職業がら首や肩にかなり負担がかかっていたからです

普段から消化器内科医(胃腸が専門)として内視鏡検査・治療をしているのですが、

内視鏡のファイバーは実はけっこう重いのです…。

1日10件ほどの胃カメラ・大腸カメラ検査、

それから30分〜1時間ほどかかる内視鏡治療を週に3〜4回。

相当肩に負担がかかっていたのでしょう。

いつのまにか、週末になるとマッサージに通うようになっていました。

 

そんな私が最近は肩こり・首こりに悩まされず過ごすことができています。

それは日本臨床内科医会が勧める
「リラックス体操」と「10秒ストレッチ」をするようになったからです

 

・具体的な方法
・継続できる理由
・どのタイミングで行うと効果的?

など、体験談とともにお話していきます。

 


なぜ肩こりが起こるのか?

そもそも肩こりがなぜ起こるのかというと、

肩に過剰な負荷がかかることで

骨や軟骨の変化、血流の低下、筋力低下やこわばりが起こるからです。

画像出典:日本整形外科学会 患者向けパンフレット「整形外科シリーズ」 整形外科シリーズ4 肩こり

肩は頭と腕の重みが共にかかるため、普段から強い負荷を受けている場所です

そのため肩周りには様々な筋肉があって、これらを支えています(上図)

 

これらの筋力が低下する、または血流が少なくなったりすると

疲労を起こし、肩こりが起こります

肩がこると筋肉が強ばり、さらに血流が少なくなって肩こりがひどくなる

という悪循環を引き起こします

 

【注意】パソコン作業時の姿勢

自宅で快適にラップトップを使用して若い女性 - パソコン作業 ストックフォトと画像

特に注意が必要なのは、長時間パソコンで作業している人です。

猫背になっていませんか?

猫背になると頭が前傾してしまい、背骨で頭をうまく支えることができません。

結果として

✔︎ 肩で重い頭を支えるようになり、肩に強い負担がかかります。
✔︎ さらに首が無理に後ろに沿った状態となって首に負担がかかります。

首こり・肩こりが起こる大きな原因となっているのです。

体操・ストレッチを始める前にパソコン作業の時の姿勢も見直してみましょう。

MEMO
病気があって肩こりが起こることがあります。
これを放置してはいけません。
次にお話しする肩こり解消法で痛みが出る、効果がないときなどは必ず病院に行って医師の診察を受けるようにしてください。その時は整形外科を受診すると良いでしょう。

 


① 肩リラックス体操

ワークデスクで首に触れる疲れた女性のバックビュー - 肩 パソコン ストックフォトと画像

これは日本臨床内科医会が勧めている方法です

  1. 頭を左に傾け、左肩を上げます
  2. そのまま左肩を後ろから前に10回まわします
  3. 続けて今後は前から後ろに10回まわします
  4. これを右肩も同様に行います
  5. 左右2回ずつ行い1セットとします

これは肩を大きく動かすことで筋肉の強ばりをほぐすだけでなく、

運動による血流増加も期待できます

 

例えばマッサージでは

寝ているところを店員さんに「硬さをほぐして」もらうだけです

体操ではないため筋肉の動きはあまりありません

そのため、自分でリラックス体操をした時ほどの血流増加は期待できません

 

一方、リラックス体操では、「硬さをほぐす」+「血流を増やす」の相乗効果があります

筋肉の硬さと血流低下は肩こりの原因になるとお話ししましたね

これを共に解決することができるのです

 


② 首10秒ストレッチ

椅子でストレッチ体を動かさない仕事から休憩を取って疲れの実業家 - 首 ストレッチ ストックフォトと画像
  1. 頭を左に傾けて5〜10秒静止し、元に戻します
  2. 右側も同様に行います
  3. 左右2回ずつ行います
  4. 次に顔を左側に向けて5〜10秒静止し、元に戻します
  5. 右側も同様に行います
  6. 左右2回ずつ行います

これも日本臨床内科医会が勧めている方法です

姿勢良く、体全体の力を抜いて行うようにしましょう

無理に力をかけようとすると首を痛める原因にもなってしまい、逆効果です

首10秒ストレッチは、首を支える筋肉を伸ばしてほぐすストレッチです

首と肩は僧帽筋など多くの筋肉でつながっており、肩こりと首こりは表裏一体です

首周りの筋肉をほぐすことができれば、肩への負担も軽減され、肩こりの改善も期待できます

 


【体験談】体操とストレッチが続けられる理由

カジュアルな服装で自宅に彼の仕事を楽しんでいる眼鏡笑顔スマート フリーランサーの肖像画 - パソコン 快適 ストックフォトと画像

日本臨床内科医会が勧める「肩リラックス体操」と「首10秒ストレッチ」

これをするようになってから肩こりがかなり軽くなりました

もちろん、この体操・ストレッチの方法が医学的にも理にかなっていて効果的なのはお話しした通りですが、

これが継続しやすいのも良いところだと私は思っています

誰でも続けられるポイントは2つです

✔︎ 座ったままでできる
✔︎ 短時間でできる

どんな事でも継続するためには

誰でも・どこでも・いつでも・短時間でできるという要素が必要だと思います

この体操・ストレッチにはこの4要素が備わっています

 

私は仕事の合間やパソコン作業に疲れた時にふと思い出してやっているのですが、

方法が簡単で覚えやすいですし、座ったまま短時間でできるので、

忙しい時でも継続できています

 

また、驚くのはその即効性です

体操とストレッチをした後は一気に肩まわりが温まり、肩がほぐれたのが自分でも実感できます

これを続けていると、次第に肩こりが起こりづらくなってきました

おそらく、肩こりを意識したことで

✔︎ 姿勢が良くなった

体操・ストレッチを継続して行ったことで

✔︎ 肩の筋肉のこわばる時間が減った
✔︎ 肩の筋肉の血行も改善した

ことが良かったのではないかと思います

筋肉のこわばりの軽減と血流の改善が相乗効果で肩こりを解消してくれる、良い循環ができています

 


【おすすめ】体操とストレッチを行うタイミング

シャワーの後の頭と体を包んだ白いタオルの若い女性 - シャワー後 ストックフォトと画像

効果的な「肩リラックス体操」と「首10秒ストレッチ」ですが、これを行うのに

ぜひおすすめしたいタイミングがあります

① デスクワークの時、1時間おきに
② お風呂あがり

です。

デスクワークや読書をしているとき、自然と肩に負担がかかりがちになります。休憩をとるときに「肩リラックス体操」と「首10秒ストレッチ」も行うとよいでしょう

ついついデスクワークに熱中してしまうと思いますが、このタイミングでパソコンから目を離すことにもなるので目の疲れを同時にとることもできます

 

お風呂あがりは全身が温まって血行が良くなっています

このとき体操やストレッチは効果的です。1日の肩・首の疲れを癒すためにぜひ「肩リラックス体操」と「首10秒ストレッチ」をしてみてください。高い効果が得られるはずです

 


まとめ

自由で幸せな女性は、日没の空に対して腕を上げます。ハーモニーとバランス - 解放 ストックフォトと画像

続く肩こり・首こりには、

✔︎ どこでも短時間でできて、簡単
✔︎ 医学的にも有効

 と言える「肩リラックス体操」・「首10秒ストレッチ」をぜひ行ってみてください

続けていると確かな効果を実感できると思います

デスクワークに忙しいあなたも、一休みするときには是非この体操・ストレッチを思い出してください

さあ、肩こり・首こりから解放されて、快適な時間を過ごしましょう

 


肩こりフリーな生活のためには生活習慣の見直しやリラックスも大事です!

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この記事の参考文献
1)臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ
https://www.japha.jp/general/byoki.html
2)日本整形外科学会 患者向けパンフレット「整形外科シリーズ4 肩こり」
https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_004.pdf

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