【医師が教えるこどもの熱中症予防】コロナ禍で注意すべきポイント

この記事を書いた人:
黒沢哲生(千葉中央メディカルセンター) 医師

夏、暑くなると外遊びで特に注意が必要となるのが熱中症です。

「熱中症警戒アラート」の発表や、「部活動中に倒れて病院に搬送」などのニュースをよく目にします。

暑い環境にいると気づかないうちに体の水分が失われるため、「喉が渇いた!」と思った時には実はすでにかなりの水分が体から出てしまっています。そうなる前に対策が必要で、気づいてからでは遅いのです。

子どもには、大人と比べて熱中症になりやすいいくつかの理由があります。子どもが熱中症になりやすい原因と、コロナ禍で有効な予防法についてお話します。

 

教えて先生!
  1. 子どもが熱中症になりやすいのはなぜ?
  2. 親はどんなことに気をつけたらいい?
  3. 冷房を上手な使い方を詳しく教えて!
  4. コロナ禍ではどんな注意が必要?
  5. では熱中症のようになってしまったらどうすればいい?

今回はこんな疑問に答えます。

 

熱中症の一般的な対策については⬇️の記事を参考に。

【冷房の使いかた・オススメの飲み物など】

これで安心!熱中症予防 医師が教える有効な対策3選

 

子どもが熱中症になりやすいワケ

体温調節機能が未熟

子どもは汗腺の機能がまだ発達しておらず、うまく汗をかいて体温を外に逃すことができません。そのため暑い場所では体の表面の血管を拡張させ、皮膚から熱を放散させることで体温調節を行なっています。

外遊び中に子どもが顔を赤くして熱くなっているのを見かけたことがあるかと思います。そういう時は体温が上昇し、体ががんばって熱を外に逃がそうとしているところなのです。木陰に連れていって、水分・ミネラル補給を促しましょう。

路面からの照り返しの影響を受けやすい

子どもは身長が低いため、大人と比べて路面に近い場所にいることになります。夏は路面に熱が蓄えられ、放熱されるので、地面に近いほど体感温度は高くなります。

例えば、気温が31℃の時、大人の顔の高さでは温度は33℃であったのに対し、ベビーカーの高さでは約36℃となっていたという報告があります。【参考文献(2)】

 

子どもは自分で予防できない ではどうするか?

子どもは自分で上手く体の異変を伝えることができません。また、遊びに熱中してしまうとなかなかこちらの言うことを聞き入れてくれず、お水を飲むように勧めても聞く耳を持たない、ということもよくあります。

ではどうするか。

よく観察する

夏の外遊びの時など、子どもは夢中になって脱水になっていることに気づけません。周りの大人がよく観察しましょう。「普段と様子が違う」「顔を真っ赤にしている」「だらだらしている」などの様子が見られたら涼しい屋内・木陰に連れていって水分をとって休むようにしてください。

外遊びの時にはルールを決めておく

熱中症対策にはこまめな水分・ミネラル補給が欠かせません。遊んでいる時には子どもは時間を忘れて熱中してしまいますので、こまめに飲むルールを決めておくとよいでしょう。

子どもにも分かりやすい目安は「20分おきにコップ1杯」です。

ミネラルも一緒に補給するのがよいです。オススメはミネラルを含んでいる麦茶です。

まさに普段から携帯しておくべき、熱中症に最も有効な飲み物と言えるでしょう。

ミネラルたっぷり【健康ミネラル麦茶】

 

服装選び、環境づくり

外出の時は熱中症にならないよう、涼しい服を選んで着るようにしましょう。ポイントは「吸水速乾」です。汗をかいた時に熱をすぐに逃がせるように、半袖であることはもちろんのこと速乾素材だとなおよいでしょう。

また、室内で遊ぶ時にも冷房をつけて涼しい環境づくりをしましょう。冷房の上手な使い方については次にお話しします。

夜は冷房を入れて 上手な使いかたとは

室内でも熱中症対策は必要です。暑い室内にいると気づかないうちに熱中症になることがあります。また、機密性の高い住宅・マンションなどでは日中に部屋の壁や天井に蓄えられた熱が夜になると放射熱となって部屋の温度を上げます。冷房を上手に使って熱中症対策をしましょう。

冷房の設定温度、風向などによっては体を冷やしすぎて逆に風邪をひいてしまいます。

以下を参考にしてください。

〜冷房の上手な使いかた〜
 
1. 温度は寒いと感じない数値で 風量は『弱』
 ※部屋の大きさなどによっても異なりますので、試しながら調節してくださいね
 
2. 風向は『上』へ向けて
 冷たい空気は下に降ります。風向を上にして部屋全体が涼しくなるようにしましょう
 
3. 直接体に冷房の風を当てないこと
 風が当たった場所はとても冷えてしまい、風邪をひく原因になります
 

 

コロナ禍の熱中症対策 注意点

コロナ禍でマスクをつける機会が多くなりました。マスクが熱中症の発症リスクになることは想像しやすいでしょう。その原因は主に2つあります。

放熱しづらい

普段、吐く息からも熱を外に逃していますので、マスクによって熱が口の周りにたまることで放熱しづらくなります。外出中に熱くてマスクを外したくなること、ありますよね。

対策: 人混みの中などマスク装着が社会的に必要な場所以外では、適宜マスクを外しましょう。

喉の渇きを感じづらい

マスクをつけていると口の周りの湿度が上がり、喉の渇きを感じづらくなりますから、適切な水分補給にも悪影響が出てきます。

対策: こまめに水分補給するようにしましょう。

また、子どものマスク着用についてはWHOから下のような提言がなされています。状況に応じた対応が必要なのは言うまでもありませんが、参考にしてみてください。

〜世界保健機関(WHO)の提言〜
 
1. 5歳以下の子どもは必ずしもマスク着用しなくてもよい。
  
2. 6歳〜11歳の子どもは、その子が能力的に問題なくマスク装着ができる場合、感染拡大地域、感染リスクの高い人や高齢者と一緒にいるときなどの状況を考慮してマスクを着用する。
  
3. 12歳以上は大人と同じ扱いで、マスクを着用する。
  
【参考文献(3)】
 

これって熱中症? そうなった時にすべきこと

熱中症のような症状があらわれた時はすぐに正しい対処をすることが必要です。

「ぐったりしている」「いつもと様子が違う」「目線が合わない」 →要注意!

このような症状は危険です。暑い屋外でこれらが見られたら、すぐに対処しましょう。

  1. 涼しい場所に連れて行く 【木陰、冷房の効いた屋内へ
  2. 体を冷やす 【首に保冷剤を当て、靴下は脱がす
  3. 経口補水液を飲ませる 【水分・ミネラルを素早く補給

もし水も飲めない、ぐったりしていて呼びかけてもあまり反応しない、などの症状が見られたら、すぐに救急車を呼ぶべきです。早い対応が良い結果につながりますので迅速に対応しましょう。

【子どもの熱中症対策 まとめ】
✔︎ 20分おきにコップ1杯の水分・ミネラル補給を
✔︎ 涼しい服を選ぼう
✔︎ 外遊びのとき、親はよく子どもを観察しましょう
✔︎ 夜は冷房を使いましょう

今回は子どもの熱中症対策に絞ってお話ししました。熱中症になってからでは遅いので、日常的な対策が必要です。どれか1つでも取り入れられそうなものがあれば実践してみてください。

楽しく安全に、暑い夏を過ごしていきましょう。

この記事の参考文献
(1) 熱中症ガイドライン2015
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

(2) 浜本 彰:ベビーカーに乗った乳幼児がおかれる環境の実態に関する試験研究.兵庫県立生活科学研究所研究報告 19:137-147,2004

(3) WHO ホームページ
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-children-and-masks-related-to-covid-19

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