この記事を書いた人:
▶️ 黒沢哲生(千葉中央メディカルセンター) 医師
下痢が続く時、お腹の調子がよくないときにはどんなものを食べればいいか。
普段から診察室で患者さんからこのような質問をよく受けます。
下痢の原因にもよりますが、今回は胃腸炎と診断された時に自宅でどのように治療すればいいかをご説明します。
目次
自宅でできる治療とは
まず、すでに下痢が2週間以上続いている場合は病院に行って一度医師の診察を受けた方が良いです。
詳しくは⬇️の記事を参考にしてください。
【下痢の期間で見極めよう】長引く下痢は要注意!それ本当に胃腸炎?
胃腸炎の場合、症状が軽い時に自宅でどのようにして様子をみればいいかについてお話ししていきます。
症状が軽い場合というのは、
✔︎ 腹痛や吐き気、体のだるさは我慢できる程度
といったところです。吐き気がひどくて水を飲んでも全部吐いてしまう時は要注意。どんどん脱水になってしまいます。他にも我慢ならないほどの症状であればためらわずに一度病院に行った方がよいでしょう。
自宅で安静にする時、自宅でどんなものを食べればいいのかについては悩む方が多いと思います。
でも可能なら、そもそも治療初期は食べない方が早く治るんです。
そして、食べるものにはポイントがあります。
お腹を壊してしまった時、自宅で行う治療のポイントを3つ解説します
①絶食する
下痢をしているということは腸が炎症を起こしているということです。そういう時に普通の食事をすれば弱った腸に鞭打つことになり、症状が長引きます。
そのため、下痢になってしまったらできれば最初の2〜3日は絶食してみてください。
症状が始まったばかりの頃は可能なら食べない方が早く治ります。
次第に吐き気・腹痛・下痢の頻度が減ってくるはずです。下痢の頻度が減ったら、以下の食事を再開しましょう。
もしお腹が減ってつらい、空腹で仕事に影響が出るなどといった場合は、腹痛や下痢がひどくならない程度に少量食べるようにするとよいでしょう。
1. ゼリー
2.スープ
3.粥、素うどん
1,2,3の順に食べていき、お腹を慣らしてあげてください。
もし腹痛や下痢、吐き気が強くなる場合は無理に食べないでください。
✖️食べない方がいい食べ物
・脂っこい食事
・食物繊維を多く含む野菜
は腸の負担になるので控えましょう。もちろん飲酒もダメです。
※ヨーグルトは乳製品のため人によっては上手く代謝できず下痢が続いてしまうのですが、普段から問題なく摂取できている方であれば腸内環境を整える作用があるのでたくさん食べるわけでないならよいでしょう。
症状がよくなってきたらお腹の症状と相談しつつ、粥やうどんから徐々に普通のご飯などの食事に戻していきましょう。
②十分な飲水を 〜オススメは経口補水液〜
食事をとってしまうと下痢が長引き、場合によっては吐き気、腹痛などの症状も強くなります。だからといって何も口にしないのでは脱水になってしまいます。下痢で水分とミネラルが失われますから、飲水で補う必要があるのです。
オススメは経口補水液です。
すばやい水分・ミネラル吸収に!【経口補水液OS-1】
水分・ミネラル・糖分のバランスがよく、体に効率よくこれらを取り込むことができます。
食事制限中は、喉の渇きを感じる前にこまめに飲むようにしましょう。もし経口補水液が家にない場合、自宅にあるものでオススメなのは麦茶です。
ミネラルたっぷり【健康ミネラル麦茶】
水分・ミネラルが含まれていますから、これらの吸収が期待できます。ただし糖分は含まれていないため吸収効率は劣ります。
③下痢止めは使わない
胃腸炎のとき、市販の下痢止めは使わないでください!
多くの場合は細菌・ウイルスが原因になっています。せっかく下痢をすることで悪い菌を自分の体から追い出そうとしているのに、下痢止めを使えば体内にとどまってしまい逆効果です。症状が長引く一因になります。
オススメの薬は整腸剤です。腸内細菌を整えることで、下痢の期間を短くする効果が期待できます。
下痢がある時に! 絶食中も使える【新ビオフェルミンSプラス錠】
お腹を壊している時にどんなものを選んで食べたらいいか、そもそも食べていいのか悩まれることも多いと思います。少しでも参考になれば嬉しいです。
- 基本は絶食!ただし水分・ミネラル補給が必要!
- 食べるならゼリー、スープ、うどん・粥
- オススメはOS-1[経口補水液] 麦茶もよい!
- 下痢止めは使わない! 飲むなら整腸剤
最後に繰り返しますが、これは感染性腸炎であることを前提とした治療法です。
下痢が続くとき、最も頻度が高いのが感染性腸炎であることを考えれば、症状が軽胃ならこれらを試してみて良いでしょう。ただこれら3つのポイントを守っても症状が悪くなる場合は、必ず病院にいって一度診察を受けるようにしてください。