リラックスしたいとき自宅でもオススメの音楽！　内視鏡室のBGM

消化器内科医の主な仕事、胃カメラや大腸カメラを行う「内視鏡室」。ここでは実は音楽の存在が欠かせません。

内視鏡室で選んでいるBGMはリラックス効果を狙っています。実は普段みなさんが行くことも多い ”あの場所” でかかっている音楽でもあります。

リラックスしたい時など、ぜひ普段の生活にも取り入れてみてください。おすすめのBGMをまとめました。

内視鏡室での音楽の効果

病院で音楽？と意外に思う方も多いかもしれませんが、内視鏡検査・治療が上手くいく秘訣は、実は音楽にあるといっても過言ではありません。

病院やクリニックの検査と言うとどんな検査を思い浮かべるでしょうか。採血検査、尿検査、心電図検査、聴力検査、超音波検査、レントゲン検査…。これらはほとんど検査中に痛みを感じず、ただ指示通りに行えば検査が終わります。採血は針を刺すときチクッと痛いですがすぐに終わります。

一方で、内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ）はそういうわけには行きません。

MEMO

胃カメラは喉に内視鏡スコープ（直径約1cmの棒状のファイバー）が通っていくため、検査中息苦しい感覚がずっとあります。
また、大腸カメラもスコープが腸を進むときにお腹の中が引っ張られるような痛み、お腹の張りがあって苦しいと感じる人が多い検査です。

鎮静剤などの麻酔を使う場合を除き、患者さんにとって苦痛を伴う検査なのです。

だから内視鏡室は病院にある検査室の中でも特別な場所です。

決して楽ではない内視鏡検査はただ手順通りに検査すれば上手くいくというものではなく、患者さんが緊張している状態だと観察に時間がかかって余計に患者さんの苦痛が増します。そのため”ひと工夫”が必要になります。いかに患者さんの緊張を減らすかということを考えなければなりません。そこで音楽が必要になってくるわけです。

BGMが流れている病院の検査室というのは普通内視鏡室以外ではあまり多くありません。

BGMの効果で検査前からリラックスした状態となり検査も落ち着いて受けることができれば、”早く” ”楽に”検査を終えられ、また検査を受けてもいいかなと思ってもらうことができます。

内視鏡検査はこの「また検査を受けてもいいかな」と思ってもらえることが重要です。胃や大腸といった消化管の中の微細な変化は超音波検査やCTスキャンなどでは捉えられないため、内視鏡を受けてもらえなければ癌の早期発見は難しくなるからです。

定期的に内視鏡検査を受けていただくことで、もし癌ができても早期発見、早期治療を行うことができます。癌も早期の段階で見つけることができれば、内視鏡で根治させることが可能です（ESDという内視鏡治療があります）。身体に負担の大きい手術や抗がん剤治療を行わなくて済むのです。